★慢性炎症に対する漢方的対応★

炎症には急性炎症と慢性炎症の2種類があります。

急性炎症は、突発的で一過性の炎症で、目に見える形で症状が出ることが多く、西洋医学的な対応が得意とするところです。一方、慢性炎症は、くすぶり型で、だらだらと続く炎症です。症状がわかりにくいため長期間放置されがちですが、癌や糖尿病などを含む万病のもとと考えられており、局所に留まらず全身に広がり、組織の繊維化を起こしやすく、漢方が得意とするところでもあります。

慢性炎症は漢方では、痰湿・湿熱・瘀血といった言葉で説明することができます。 痰湿とは簡単に言うと粘膜の微弱炎症です。これにストレスやお酒などの影響が加わり、熱を持った状態が湿熱になります。瘀血とは血流の滞りです。粘膜の炎症が発症する場所が人によって異なるのは、瘀血が関係しており、瘀血が発生しているところに、痰湿や湿熱が発生しやすくなります。

従って、慢性炎症を改善するためには、痰湿や瘀血を取り除き、炎症による内熱をさます漢方薬を使います。

慢性炎症は食生活とも大きく関わっています。慢性炎症を引き起こす原因には、肝炎ウイルスなどウイルス性のものもありますが、多くは糖質過剰が原因になっています。糖質を過剰に摂るとエネルギーとして消費されない分は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されますが、それでも余る場合は、中性脂肪として肥満の原因となります。内臓脂肪も増えます。さらに、AGEs(終末糖化産物)すなわち糖代謝の”ゴミ”が発生し、これが活性酸素を作り、慢性炎症を引き起こす原因となります。

これにはAGEsの排出を促す漢方薬を使うと同時に、食生活の改善が必須です。糖質を完全に止める必要はありませんが、血糖値を上げやすい食品、具体的には果物、白米、パン、スイーツ、ジュースや炭酸飲料水などを極力減らし、豆腐など良質なたんぱく質を多く含む食品を意識して食事に加えましょう。

このように漢方薬をうまく使い食生活を改善することにより、万病のもとと言われる慢性炎症を予防・改善することができます。