★薬食同源(2)身体にやさしい食べ方★

噛む女性
先月は、「良い食事」について、主に食事の内容の面からお話しましたので、今回は、「食べ方」について、触れたいと思います。

●よく噛んで
「噛む」というのは、単に食べ物を細かくするということだけではありません。噛むことで、唾液から唾液アミラーゼなどの消化酵素が出ます。ここでの消化が不十分だと、胃腸への負担が大きくなります。また、唾液に含まれるムチンという成分は、食べ物の運搬をスムーズにさせる働きがあるので、よく噛まないと、喉を詰まらせたりします。また噛むことで満腹中枢を刺激し、過食の予防にもなります。ですから、特にお年寄りの方など、歯がなくて細かく砕いた料理を食べる場合でも、いきなり飲みこまずにモグモグすることには意味があるのです。一口で40回噛むのが理想的という説もありますが、自分が何回噛んでいるか、一度、数えてみるのもいいですね。

●食事は穏やかな気持ちで
交感神経の興奮が続くと、消化酵素の分泌が減ることがわかっています。イライラしながら食べるのと、穏やかな気分で食べるのとでは、同じ食事でも栄養効果に大きな差がでてきます。そういう意味では、食事を伴う会議なども、身体のためには良くありません。(楽しい会議なら別ですが) 漢方には、「専食」という言葉があります。文字通り、「食べることに専念する」という意味です。食べ物の味、香り、色などを楽しみ、いただく命に感謝しながら食べるということも大切です。(私たちの食べ物は、植物や動物の命を頂いているわけですからね)

●夕食の時間は早めに
健康を維持するために必要なホルモンの多くが午後10時から午前2時までにピークになります。このとき、体の様々な修復作業をするための材料、つまりブドウ糖、アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要になります。これらの栄養素が「修復作業時間」に間に合うためには、午後7時くらいにまでに食事を終わらせるのが理想的と言われています。残念ながら、現代人の生活ではなかなか難しいが現実ですが、それでも、せめて午後8時くらいまでには夕食を終わらせ、どうしても遅くなる時は、消化の良いものを食べるようにしましょう。(脂質やたんぱく質は、炭水化物に比べて、消化に時間がかかります)晶三仙など消化を助ける漢方薬も役立ちます。

この他にも、中医学には少食(腹八分目)、慢食(食事はゆっくり、時間をかける)など、食べ方についての昔からの教えがあります。