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不眠




漢方相談の中で、不眠のご相談は多い方に入りますし、増えているように見えます。

昔々、日の出とともに起き、日没とともに就寝、そして食の確保が主要な課題だった時代には、不眠は問題にならなかったかもしれません。今や、電灯をはじめとする文明の利器によって可能となった日夜逆転もある多忙な生活や、定常的にいろんなストレスのある人間関係、運動不足、あふれるインスタント食品などの中で、時代が生んだ生活習慣病の一種ともいえるのではないでしょうか。

不眠にはいろんな症状のものがあります。例えば、(精神が)興奮して寝付けない、不安感が強くて眠れない、情緒不安定で眠れない、気分がうつうつとして熟睡感がない、出張や旅行先で枕がかわると眠れないなど。

不眠の症状を分類すると、いくつかのパターンがあることが分かります。眠れないパターンをまとめると、その主な特徴は:

①寝付きが悪い、
②眠りが浅い、時々目が醒める、目が醒めた後、再び眠れなくなる、
③一晩中眠れない、

などです。

パンダ不眠
漢方・中医学では、いろんな病気を、『五臓』(身体機能を心・脾・肺・腎・肝の5種類の臓に象徴して分類し理解します)の好・不調と、 『気』・『血』・『水』(体内を流れるものを3種類の物質に象徴して分類し理解します)の流れが順暢かどうかで理解しています。

不眠はこれらのうち、特に『心』(西洋医学で言う心臓だけでなく、精神も含めた広い概念)の不調と関係があり、『血』の流れ不足ととらえています。 また、『心』だけでなく、『心』と『脾』・『腎』・『肝』との関係が不調になることによって、上記のようないろんなパターンの不眠が現れると理解しています。

表面に現れているいろんな不眠の症状や、全身的な体質・体調などから、何の不調が不眠の原因になっているかを分析し、どんな漢方薬が最も合うのか考えます。ですから、『不眠なら○○○湯』と言って、病名で漢方薬を選ぶという訳ではありません。

具体的には、精神・情緒の面が大きい場合は『酸棗仁湯』や『甘麦大棗湯』、胃腸系の問題がある場合は『帰脾湯』や『加味帰脾湯』、加齢や体内の有効な水分不足の面が大きい場合は『天王補心丹』など、逆に余分な水分や熱がある場合は『星火温胆湯』や『焦三仙』などを中心に検討します。

不眠には、その他、足が冷えて寝付けない、夜間頻尿で夜間に何度も起きざるを得ないので眠りが浅い、お布団で温まるとかゆくて眠れない、認知症の高齢の方の介護をしているが、夜になっても静かに寝てくださらないというような、ご相談もあります。これらは、本来の不眠の病気ではないけれど、結果として不眠になっているというものです。これらについても、それぞれの問題の原因となっている不調の原因を分析・理解し、その不調を解決することで不眠を解決する漢方薬を検討します。

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