漢方草庵 泰山堂
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更年期の漢方相談

更年期を元気に乗り切る~人生100年時代を健やかに生きるために~

100年前の女性の平均寿命は約43歳でしたが、厚生労働省の調査報告によると2022年は約87歳。平均寿命は100年間で倍以上になりました。ところが、閉経年齢は約50歳で殆ど変わっていません。つまり、女性は、閉経後の人生がかつてないほどに長くなっているわけです。

閉経後を健康的に生きていくためには、更年期を健やかに過ごし、この時期を元気に乗り切ることが重要になってきます。

定義としては、1年以上生理がないことを「閉経」、閉経の前後5年間を「更年期」と呼びます。更年期に現れる様々な症状を「更年期症状」と呼びますが、その中でも「日常生活に支障をきたす」ような症状を、更年期障害と呼びます。

更年期障害の原因の一つはエストロゲンの急激な減少です。
エストロゲンには

  • 皮膚や粘膜の水分・弾力・ハリを保つ
  • 骨を丈夫にする
  • 血管をしなやかに保つ
  • コレステロールや中性脂肪の上昇を抑える
  • 妊娠を成立・維持する

などの働きがあります。従って、エストロゲンが急激に減少すると、皮膚や粘膜の乾燥、骨粗しょう症、LDLや中性脂肪の上昇などの症状が出てくるわけです。
またエストロゲンをコントロールしているFSHというホルモンが脳の下垂体から分泌されており、さらにこのFSHの量を、脳の視床下部というところでコントロールしています。
エストロゲンが急激に不足すると視床下部がびっくりして、FSHを大量に分泌するように命令を出します。
この状態が続くと、視床下部が一種のパニックのような状態に陥ってしまいます。
視床下部は、自律神経のコントロールや、体温や心拍、怒りや不安など情動行動の調整も行っているため、視床下部の働きが乱れると、ほてり、動悸、発汗、不眠、不安、イライラ等など、様々な症状が出てしまいます。

そこで、西洋医学ではエストロゲンを補充する治療方法がとられます。いわゆるホルモン補充療法(HRT)と呼ばれるものです。

しかし、更年期障害のやっかいなところは、原因がエストロゲンの減少だけでなく、環境の変化や心理的要因や性格に関係していることもあり、それらが微妙に絡み合っている点です。この時期は、親の介護、子供の独立、職場での地位の変化など様々な環境の変化が出てきます。
また、真面目で完璧主義な性格が、若い頃はプラスの方向に働くことが多かったものの、体力の衰えに伴い、それまでのように完璧にこなせなくなることで、精神的なダメージを受けたりすることもあります。真面目な人ほど、そのような傾向が強く出るように思います。
こういった環境の変化や心理的要因が自律神経に影響し、さまざまな症状が出てしまいます。

このような場合、単純にエストロゲンを補充すれば治るというわけではなく、多面的な対応が必要になります。

西洋医学的アプローチではうまくいかない場合、あるいは人工的にホルモンを補充することに抵抗がある場合は、漢方も検討してみて良いのではないでしょうか。

更年期障害に対する漢方的な考え方

漢方では更年期障害は、五臓の中でも特に「腎」(西洋医学的な「腎臓」だけでなく、生命エネルギーの源、陰・陽やホルモン系の元といった広い概念)の不調、また「腎」と関かかわりの深い「肝」「心」の不調ととらえて、治療を考えます。

たとえば腎陰には、身体を潤したり、冷ましたりする働きがあるため、腎陰が不足すると、熱(熱感やホットフラッシュ・多汗など)や乾燥(皮膚や膣の乾燥、コロコロ便など)の症状が出ます。

「腎」の失調が「肝」に影響すると、イライラや怒りっぽいなどの症状が出ますし、「心」に影響すると、不眠や心煩(焦燥感や不安感)などの症状が出ます。

漢方の「五臓」

従って、漢方では「腎」を補いながら、関連する五臓の失調を改善する漢方薬を使って、症状を改善します。
詳細は「症状別漢方:更年期障害」をご覧ください。

更年期の漢方相談でよくあるお悩み(一例)

更年期障害の漢方相談について

泰山堂では、お客様をお待たせしないように、またお一人お一人に十分な時間をかけてお話しをお伺いできるように漢方相談は予約制になっております。
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