漢方草庵 泰山堂
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認知症

認知症にはいくつかの種類があり、もっとも多いのがアルツハイマー型認知症、続いてレビー小体型認知症、脳血管性認知症などです。この3種類だけで認知症全体の約85%を占めています。

アルツハイマー型は、簡単に言うと、脳の中にβアミロイドと呼ばれるたんぱく質のゴミのようなものが蓄積されていき、脳神経の働きが低下した状態と考えられています。レビー小体型認知症の場合は、同じようにαシヌクレインというゴミたんぱく質がたまってしまった状態と考えられており、手の震えなどパーキンソン病に似た症状の他、幻視や幻聴などの症状が特徴的です。

一方、脳血管性認知症は、何等かの理由で脳の血管が破れたり詰まったりして、そこから先の脳神経が作用しなくなった状態です。

この他、脳の前頭葉および側頭葉部分が萎縮し、神経細胞の塊(ピック球)ができ、反社会的な行動などの異常行動が見られる前頭側頭型認知症(ピック病)などもあります。

漢方的には、認知症は脳に瘀血と痰湿が絡んでいる症状だと考え、脳の微小血管の血流、および脳内の慢性炎症を改善する漢方薬をベースとして使います。このほか、手の震え、怒りっぽいなど、具体的な症状や体質に合わせて漢方薬を調整します。

糖尿病とアルツハイマー

糖尿病はアルツハイマーの発症リスクを2倍に増加させることがわかっています。

体内の血糖値が上がると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは唯一、血糖値を下げることができるホルモンです。
ところが糖尿病などのように高血糖状態が続くと、インスリンの働きが鈍くなり(インスリン抵抗性状態)、血糖を下げるためにさらに多くのインスリンが分泌されます。

分泌されたインスリンはインスリン分解酵素(IED)によって分解されますが、IEDはインスリン分解の他に、βアミロイドを分解する働きも担っています。
インスリンの量が増えるとIEDはインスリン分解の方に多くを使ってしまうため、結果、βアミロイドが蓄積されると考えられています。

さらにインスリン抵抗性状態では、IEDの働きを抑制する遊離脂肪酸が脂肪細胞から多く放出されるために、βアミロイドがさらに蓄積されやすくなります。

このため、アルツハイマーの改善や予防には、糖尿病を発症しないことも大切です。
糖尿病の予防には食生活(糖質制限)や運動(筋肉を使った有酸素運動)が何よりも重要です。
糖尿病の改善に役立つ漢方薬や健康食品などとの併用も効果的です。

睡眠とアルツハイマー

βアミロイドはノンレム睡眠時に排出されるという性質を持っていることがわかっています。
脳の周囲を循環する液体である脳脊髄液が、ノンレム睡眠時には波のように流れ込んでβアミロイドを洗い流すとされています。

したがって、睡眠不足だったり眠りが浅かったりしてノンレム睡眠の時間が足りなくなると、βアミロイドが徐々に脳に蓄積されていき、アルツハイマーの発症リスクが高まる可能性があります。

漢方薬では、睡眠の質を改善する漢方薬を使います。

腸内環境と認知症

腸内細菌と認知症の発症が関係することが、いつくかの研究で明らかになっています。

腸内には数100から約1000種類の細菌が生息していますが、その中で腸管免疫や肥満防止など重要な働きをするバクテロイデスと呼ばれる菌が、認知症でない人の45%から検出されたのに対し、認知症の人では15%しか検出されなかったという報告もあります。
バクテロイデスが多い人は、そうでない人に比べて、認知症の罹患率が10分の1であることもわかりました。
バクテロイデス菌を増やすには、腸内環境を整えることが大切です。

食べ物では、ぬか漬けや納豆などの発酵食品がお薦めです。
漢方では、腸内環境を整える漢方薬が役立ちます。

歯周病と認知症

最近になって、歯周病の原因菌であるジンジバリス菌が、脳内のβアミロイドを増やし、認知症のリスクを高めることがわかってきています。

また70歳以上の高齢者を対象としたある調査で、健康な人では平均14.9本の歯が残っていたのに対し、認知症の人では、平均9.4本しか残っていなかったそうです。
しっかり噛むことは、食べ物を噛み砕くだけでなく、脳の血流を良くし、記憶力をつかさどる海馬を刺激します。
歯が少なくなると噛むことが少なくなり、認知症のリスクを高めてしまうことになります。

歯を丈夫にするために漢方では、補腎剤と呼ばれる漢方薬の中からその人に体質に合わせて選びます。また、歯周病の予防や改善には甘露飲という漢方薬も役立ちます。

この他、栄養障害による認知症も少なくありません。
亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが不足すると認知症を起こしやすいことがわかっています。
魚介類や肉類、海藻類を多く摂取するように心がけましょう。

たくさん食べられない場合は、オイスター製剤なども役立ちます。
また、胃酸を抑制する胃薬を長期間服用していると、食事に気を付けていても知らないうちにミネラル不足になっている場合があります。
胃腸の機能を改善する漢方薬を使うことで、胃酸抑制剤を徐々に減らしていくことも選択肢の一つです。

認知症予防のための体質改善に役立つ漢方薬一例

天王補心丹

天王補心丹てんのうほしんたん

健脾散

健脾散けんぴさん

甘露飲

甘露飲かんろいん

ご紹介している漢方薬は一例です。ご体調・体質によって、他の漢方薬をお薦めする場合もございます。
また、漢方薬のパッケージは予告なしに変更される事がございます。

つらい体の不調やお悩みは一人で悩まず、まずはお気軽に泰山堂へご相談ください。