PMS(月経前症候群)とは、生理の1~2週間くらい前から現れる、 イライラ、胸の張り、下腹部の張るような痛み、むくみ などの症状の総称です。
生理が始まると、症状が軽くなるという特徴もあります。
はっきりした原因はわかっていませんが、排卵後のホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。
また、生理前に多く分泌される黄体ホルモンには、水分を溜める作用があるので、むくみや体重増加が現れる人もいます。
さらに、生理前に、イライラや落ち込みなど精神的な変化が見られるのは、この時期、脳内のセロトニンの分泌量が低下することも関係していると考えられています。
イライラが若干強くなる程度なら問題ありませんが、自分でもコントロールできないほど激しいイライラや酷い落ち込みは、健康な状態ではありません。
また、胸の張りも、少し張る程度なら問題ありませんが、「揺れただけで痛い」「服がかすっただけで痛い」というのは、体質的な改善が必要です。
またPMSが酷い人は基礎体温のガタガタが大きい傾向にありますので、妊娠しやすい身体づくりのためにも、PMSを放置しないようにしましょう。
気滞(きたい):気の滞り
漢方では、PMSは、「肝」の機能低下による「気滞」がベースにあると考えます。
「肝」とは西洋医学的な肝臓とは少し意味が異なり、血液を貯蔵する働きの他、気(き)、血(けつ)、水(すい)の流れのバランスを整える働きがあります。
したがって、「肝」の機能が低下すると、「気(エネルギー)」の巡りが悪くなり、「気」の巡りが悪くなると「血」も滞り、さらには、「水(すい)」も停滞するようになります。
気滞がおこると全身の気の巡りが悪くなるため、胸(乳房)や下腹部が張る、イライラするといった精神的症状があらわれます。
このタイプの人は、ストレスをため込まないよう、こまめにストレス発散を心がけることが養生のポイントです。適度な運動や十分な休息を心がけましょう。
心から楽しめる趣味を持つことも、大いに役立ちます。好きな香りや音楽も役立ちます。
一般的に、柑橘系やミント系など、さわやかな香りがおすすめです。
食品としては、三つ葉やミカンの皮、春菊など、香りのあるものやミントティーなども役立ちます。
漢方薬では、気の巡りを良くする働きに優れたものを使います。
熱感のある人には、熱感を鎮める働きのある牡丹皮と山梔子などを追加した漢方薬が向いている場合もあります。
瘀血(おけつ)
漢方では、「血(けつ)」と「気(エネルギー)」はいっしょに流れていると考えられており、気が停滞すると、血も停滞します。
血の停滞を漢方では、「瘀血(おけつ)」と呼びます。
瘀血体質の人は、生理痛が酷い、経血に塊があるなどの傾向があります。
また、日ごろから頭痛・肩こりの傾向がありますが、生理前はこのような症状がさらに顕著に見られます。
食べ物では、血液サラサラ効果で知られる玉ねぎや青魚などがおすすめです。
活血薬と呼ばれる血流を改善する漢方薬や漢方系健康食品が役立ちます。
また、冷えからくる瘀血もありますので、身体を冷やさないように気を付けましょう。
水滞(すいたい):水の滞り
高温期に多く分泌される黄体ホルモンには、生理前になると、栄養や水分を溜めこもうとする働きがあります。
これは、生理の出血による栄養不足を防ぐための、身体の防衛機能と考えられています。
日ごろからめまいや吐き気、胃もたれ、軟便・・・などの症状が出やすい人は、水分代謝が良くない可能性があり、生理前に、からだがむくんだり、水太りによる体重増加がみられたりします。
水分代謝を良くするためには、脾胃(胃腸の働き)を強くすることが、まず基本です。
胃腸の働きを改善したり、消化を助けたりする漢方薬を使います
虚証(きょしょう):「気」「血」の不足
気、血が不足していても、気や血の巡りは悪くなります。
川の水量が少ないと、川の流れが遅くなるのと同じイメージです。
このようなタイプの人は、多くの場合、気血を補う漢方薬を併用するか、優先します。
生理前後に疲労感が増す人は、気血が不足している可能性があります。
それ以外にも、日ごろから倦怠感が続く、朝起きるのが辛い、髪の毛が薄くなってきた、爪が割れやすい・・・などの症状も、気血が不足しているサインである場合があります。
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