抗がん剤は、がん細胞のような速く増殖する細胞を破壊することで、がん細胞の増殖を抑えます。
しかし、体の中で速く増殖する細胞は、がん細胞だけでなく、髪の毛、粘膜(口内、胃腸の粘膜など)、骨髄などの細胞も、他の細胞に比べて速いスピードで増殖しています。このため、細胞を破壊する抗がん剤がこれらの細胞にも作用してしまい、脱毛や吐き気などの副作用を引き起こしてしまいます。
漢方では、このような副作用を「薬毒」ととらえ、その毒性をできるだけ早く体の中から排除することを考えます。
肝臓・腎臓を守る
抗がん剤の強い毒性は、肝臓、腎臓に大きな負担をかけます。このため、漢方では、まず、肝臓、腎臓を守ることがベースになります。
「補腎薬」と呼ばれる種類の漢方薬をベースに、腎、肝の代謝機能を高め、抗がん剤の毒性を早く取り除きます。肝・腎を守りながら、抗がん剤を投与することが望ましいので、多くの場合、抗がん剤の投与と並行して服用をお薦めします。
嘔吐・吐き気・下痢
抗がん剤は、普段、胃腸には入ってこないものです。
ですから、抗がん剤が体内に入ってくると、人の体は、自分の体を守ろうとするシステムが働き、できるだけこの「毒」を体の外に出そうとし、吐き気や嘔吐が起こります。
これに対して漢方では、和胃降逆(胃腸を落ち着かせること)を考えます。体質によって、漢方薬を使い分けるため、抗がん剤治療を始める前に、舌を見て、体質を見ておくと、和胃降逆の漢方薬を選びやすくなります。
下痢も、嘔吐・吐き気と同じように毒を体外に排泄しようとする体の防衛メカニズムですが、これ以外にも、腸管粘膜も細胞の増殖が速いため、抗がん剤の作用を受けやすいというのも、下痢が生じる原因の一つです。胃腸の粘膜を修復し、胃腸の状態を整える漢方薬を使います。
その他、様々な副作用
抗がん剤の副作用が骨髄に及ぶと、赤血球、白血球、血小板ともに減少し、さまざまな症状が出るだけでなく、抗がん剤治療の継続が難しくなることもあります。
多くの場合、血液を補う作用にすぐれた漢方薬を使います。
血液を補いながらストレスを緩和する漢方薬や元気を補う漢方薬を併用する場合もあります。
脱毛は、抗がん剤治療を受けている方には、心理的にも非常に辛いものがあります。
髪の毛と関係が深い「腎」(西洋医学的な腎臓とは意味が異なります)の力を補う漢方薬、頭皮への血流量を増やす漢方薬などが、髪の毛の再生を助けます。
抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑える働きにはすぐれていますが、様々な副作用を伴うのが難点です。
漢方薬を上手く利用することで、西洋治療の効果を高め、副作用を軽減することも検討してみてください。
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